←5

「んっ…んん…」
 スーツ姿の悠一郎は、玄関で遊里とディープキスを展開していた。
 たっぷりと、数十秒。
「おかえりなさい、父さん」
「ただいま、遊里ちゃん」
 そうしてようやく靴を脱ぎ始める悠一郎に、遊里が少し強い口調で言う。
「ご飯、冷めちゃったよ」
「急な仕事が入っちゃって…」
「せっかく頑張って作ったのに」
「ごめんね遊里ちゃん。明日はきっと早く帰…」
 ひとさし指を突き出して、悠一郎の謝罪を制止すると、遊里は、それまでとは違う笑顔を見せた。
「約束を破る父さんには、お仕置き、しないとね」

←extra2

 前触れもなく差し込んだ光。
「…ん!」
 暗闇から解放され、悠一郎の視界が戻る。
「ただいま、父さん」
 彼が最初に見たのは、笑顔の遊里だった。
「ぅ……うう、ううぅっ!」
「ついつい話しが弾んじゃって、ちょっと遅くなっちゃった」
「うーっ!うっ、ううぅ!」
 瞳を潤ませて訴えかける悠一郎に、遊里はクスリと笑いながら、目隠しに続き、彼の言語を封じているボールギャグを外した。
「はっ…!んはあぁ…はぁ…はぁぁ…!」
「こんなにヨダレ垂らして…お行儀悪いよ、父さん」

←4

「あれぇ、どうしたのユーリちゃん?」
 遊里は、クラスメイトの飯沼沙希子の住む家の玄関先にいた。
「うん、ちょっと」
「あ~、ひょっとして、お兄ちゃんめあて?」
「大丈夫?」
「もちろんだよ。お兄ちゃんは私のドレイだもん。いつでも言うこときいてくれるよ」

←3

「父さん?」
 遊里の声で目覚める悠一郎。
「すごい汗…悪い夢でも見てたの?」
「…ご、ごめん…」
 それは、ほとんど無意識のうちに出た悠一郎の言葉だった。
「ごめん遊里ちゃん…ごめん、なさい…」
 そんな悠一郎の頬に、遊里の手が添えられる。
「どうしたの父さん?どうして私に謝るの?」
「…あ…」
 遊里の手の温もりを感じながら、少しずつ、悠一郎の頭が鮮明になっていく。

←extra1

 週末。悠一郎は家でひとりだった。
 遊里は、友達の家に泊まりに行っている。
 彼女は出かける際、一本のビデオテープを悠一郎に手渡した。
『父さんが寂しくならないように撮っておいたの』
 そんな言葉を添えて。
 今までのことから、テープに入っている内容への想像が自然となされてしまうが、そんな思いをできるだけ排除しつつ、悠一郎は静かに、ビデオを再生した。

←2

「ねえねえミドリちゃん、あのことだけど…どうだった?」
「うんとね、うちのパパもホウケイだったよ」
とある小学校での、女子児童たちの会話である。

←1

「んっ…」
 股間に甘い感覚を覚え、悠一郎は目を開いた。
「は…あ…ん…」
 いまだに夢と現実との区別がついていない状態だったが、股間から発せられる快感はどんどん強くなっていく。
 そして、その感覚が包茎ペニスを刺激されてのものだと認識するや否や、悠一郎は跳ねるように身体を起こした。
「おはよう、父さん」
 悠一郎が目にしたのは、彼の包茎ペニスに舌を這わせる娘・遊里の姿だった。

「父さん、お風呂…」
「え?」
「今夜は父さんと入りたいの…駄目?
「いや、そんなことは…じゃあ、入ろうか」
 …松崎悠一郎(まつざき・ゆういちろう)には、24歳という若さで、10歳の娘がいる。
 もちろん実子ではなく、先日他界した妻の先夫の子である。
 娘の名は遊里(ゆうり)。
 彼女については妻に任せきりだったため、父娘二人の生活になっても、その関係は実にぎこちないものであった。
 悠一郎も、何とか彼女との距離を縮めようと努力するものの、おとなしく、口数が少ない遊里の気持ちを掴みかねていた。
 そんなある日の夜の、出来事である。