包茎父兄:4

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「父さん?」
 遊里の声で目覚める悠一郎。
「すごい汗…悪い夢でも見てたの?」
「…ご、ごめん…」
 それは、ほとんど無意識のうちに出た悠一郎の言葉だった。
「ごめん遊里ちゃん…ごめん、なさい…」
 そんな悠一郎の頬に、遊里の手が添えられる。
「どうしたの父さん?どうして私に謝るの?」
「…あ…」
 遊里の手の温もりを感じながら、少しずつ、悠一郎の頭が鮮明になっていく。


 映像とは言え、遊里の「命令」に従わなかった…もう今までのようなことをしてくれないかもしれない…そんな思いのまま寝床についた悠一郎…
「…遊里ちゃん、いつ帰って…!?」
 悠一郎は慌ててベットから起き上がろうとしたが、遊里に制される。
「質問に答えて、父さん」
 悠一郎を見下ろす彼女の声は、冷たかった。
「どうして私に謝るの?」
「そ…それは…」
 口ごもり、遊里から目を逸らす悠一郎だったが、
「…イッちゃったんだ」
 その一言に、ビクンと身体を震わせる。
「私の命令を守らないで、勝手に射精しちゃったんだね」
「…う…」
 言葉の出ない悠一郎の顔を、遊里が覗きこむ。
「大丈夫だよ、父さん。怒ったりしないから…命令を守れたのか、守れなかったのか…私の目を見て、はっきり言って」
 顎に手を添えられて、鼻同士がくっつくほどに顔を近づけられ、悠一郎は身体的にも精神的にも、遊里に追い詰められてしまった。
「父さん…射精したの?」
「…しゃ…射精、しました…」
 娘に対して、声を震わせながらの敬語。
 そんな、父の威厳のかけらも無い悠一郎に、遊里は軽い笑みを漏らすと、すっと彼から顔を離して立ち上がる。
「だらしない父さん…お仕置きしないとね」
 それを聞いて、悠一郎は震えあがった。
「ご、ごめんなさい…どうしても我慢できなくて…ごめんなさい…」
「父さん」
 それは、さきほどまでとは違う、優しさを含んだ声だった。
「そんなに怯えなくてもいいんだよ。ちゃんとお仕置きを受けたら、許してあげるから。そしたら、またいつも通り、してあげるからね」
「あ…あ…ああぁ…」
 遊里の言葉に、悠一郎は恍惚の表情を浮かべた。

 寝室に差し込んでくる朝日を浴びながら、悠一郎は遊里によって全裸にされ、ベッドに仰向けに寝かされている。
「嬉しいみたいだね、父さん」
 クスリと笑う遊里。
 彼女の視線の先には、勃起した包茎ペニス。
「これからどんなお仕置きされるのかって、期待して、興奮してる…」
「そ、そんなこと…」
 そんな悠一郎の言葉を、遊里は唇で塞いだ。
「んんっ…ん…」
 その後、遊里は強い口調で言い放つ。
「イキたかったら、お尻をこっちに向けなさい」
 悠一郎はおずおずと四つんばいになり、遊里のほうにお尻を突き上げる。
「……」
 遊里が何かを準備している気配を感じながら待つ悠一郎。
 すると、
「ひゃっ…!」
 アヌスへの冷たい感触。
 ジェル状の物体を塗りたくった、遊里の指だった。
「あ…あんん…」
 遠慮の無い彼女の指は、ジェルの滑りも手伝って、どんどん悠一郎の中に侵入していく。
「あっ…あぅ…ううぅん…」
 指が出入りするたびに、激しく跳ねる包茎ペニス。
 遊里は、空いている手にもジェルを塗ると、既に濡れている包茎ペニスを握り、激しくしごきたてた。
「は…ああぁ…ああぁんっ!」
「ほら父さん、遠慮しないで…イッてもいいよ…」
「あっ、あ、あ…イク、イク…あああぁ…!」
 だが、射精寸前になって、悠一郎に与えられていたすべての刺激が突如、なくなってしまう。
「あ…あ…ゆ、遊里、ちゃん…?」
「時間切れだよ、父さん」
 ペニスから手を離し、アヌスから指を抜いた遊里は、汚れた両手をタオルで拭きながら、悠一郎から遠ざかる。
「私ね、今日も友達と遊ぶ約束してるんだ。もう行かないと」
「い…嫌、だよ…お願い、イカせて…最後までイカせてよ…」
「私、イカせてあげるなんて言ってないよ」
 再び悠一郎のもとに戻ってきた遊里。その手には、麻縄を始め、いくつかの拘束具が見える。
「イキたかったら、さっさと出しちゃえば良かったのに」
 笑顔でそう言う遊里に、悠一郎の全身はガタガタと震えていた。

・・・・・・

「じゃあ…行ってくるね」
「うっ…ううんっ!」
 暗闇の中、遊里の声だけを頼りに、悠一郎は言葉にならない声で呼びとめようとする。
 だが、
「帰ってくるまで我慢できたら、ご褒美あげるからね」
 その言葉を最後に、悠一郎の前から、彼女の気配は完全に消えてしまった。
「う…うぅ…」
 悠一郎の両手足は、麻縄でベッドの四隅に固定させられていた。
 身じろぎをすることすら自由にならない。
 さらに目隠しをされ、口にはボールギャグをかまされている。
 まったく視界の効かない中、悠一郎は、いつ帰るともしれない遊里を待ち続けるしか無い。

・・・・・・

「ううぅ…うっ、う…!」
 遊里が出てから約10分。
 悠一郎の息が荒くなる。
 彼自身は見ることが出来ないが、彼の包茎ペニスからは止めどもなく透明液が溢れ、開脚してあらわになっているアヌスは自分の意思を持っているかのようにヒクヒクと震えている。
「うー、ふ、う…うぅぅ!」
 原因はおそらく、遊里が塗ったジェル。媚薬か何かだったのだろう…そう、崩壊寸前の悠一郎の理性は結論したが、それは現状の打開にはまったく何の役にも立たなかった。
「ふーっ!うっ、ふう…ふううぅ!」
 悠一郎には、満たされない欲望を、言葉にならない声で表現することしかできなかった。

・・・・・・

「ふ…ぅ…ぅ…」
 もうどれぐらいの時間が経過したのか、悠一郎には分からない。
 考えるつもりも無かった。
 自分はなぜここにいて、どうしてこんなことをされているのか。
 これからどうなってしまうのか。
 そんな思考は、とっくに捨て去っている。
 彼の頭にあるのは、ただひとつ。
『射精したい』
 下半身から燃えあがるような欲望だけが、彼を支配していた。
「ん……ふ……」
 声を出す気力も無い。
 満たされないことに抗うのを止め、理性を犠牲にして、欲望の渦に飲み込まれたのだ。
 彼の口からは大量の唾液が漏れ、胸のあたりにまで垂れている。
 下半身も、包茎ペニスから飛び散った粘液であちこち汚れている。
 そんな自分の外面を気にすることすら、彼は放棄していた。
『射精したい』
 ただそれだけだった。

・・・・・・

「……ん……」
 欲望と、それに関連するイメージが頭の中で暴れ回る中、不意に、遊里の姿が浮かんだ。
『父さん、包茎なんだ』
『父さんが今想像してること…今からしてあげる…』
『いっぱい出たね、父さん』
 遊里に責められた記憶が、快感とともに蘇る。
「ふ…ふぅぅ…」
 鎮まっていた鼻息が、再び荒くなる。
「うぅ…ぅうう…」
 本能と理性の間でふらついていた悠一郎と違い、遊里はいつでもまっすぐな瞳で、悠一郎を責め続けていた。
『ねえ、父さん』
 記憶の中の遊里が問いかける。
『私のこと、愛してる?』
『本当?本当に、心から、愛してる?』
「ぅ…ぅうう…ふ…ふうぅ…!」
 悠一郎は、記憶の中の遊里を求め、どこまでも追い続けた…

→extra2

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